従来のデータ管理ツールは、1955年頃から普及した「マイクロフィルム」や1985年から普及し始めた「光ファイリングシステム」が主流でした。しかし、マイクロフィルムは経年劣化によってゆがみが生じたり、互換性の低さのためネットワークでの使用ができなかったりといった問題点が生じています。
また、近年のパソコン普及率の増加に伴って光ファイリングシステムのメーカーサポートは次々と終了しているのが現状なのです。そうした理由から、文書や図面といった書類の電子化に対するニーズは年々増加を続けています。
オフィスに大量に保管され、捨てることが許されない重要書類。毎年増えていくことでスペースを取るばかりか、古い書類はどんどん劣化していくことが問題として挙げられていました。しかし近年の「e-文書法」の成立によって、従来であれば紙の状態で保管しなければならなかった大量の書類を電子化することが認められたのです。
そのため、スペース確保という面からも電子化のニーズは高まっており、今や「ペーパーレス」の書類管理がスタンダードになりつつあるのです。それ以外にも様々なメリットがあることも電子化が進む要因となっています。
「e-文書法」とは、2005年4月に施行された法律で、「保存が義務付けられた文書の電子化」を認める内容となっています。別名を「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と言い、近年のパソコン普及率の増加に伴って作られたものなのです。
たとえば財務諸表や取締役会の議事録などは、商法や税法といった法律によって保存が義務付けられています。しかし、これらの書類を紙によって保存した場合、書類管理にかかるリソースが大きくなるばかりか膨大なスペースが必要となってしまいます。そうした問題を解決するために「e-文書法」によって書類電子化による保存が可能になったのです。また、必要条件さえ満たせば、紙の文書をスキャナーで読み取った画像データも原本として認められます。